ピッティ宮殿内にある衣装博物館で開催されている、古代ローマ、そしてその時代をテーマとした映画の履物の特別展を見に行きました。
通常の展示だと、服が主役で、靴は添え物的存在なのですが、今回は、服はほとんどありませんでした。
その代わり、考古学博物館から、サンダルのデザインがわかる古代ローマのブロンズや大理石の彫刻の展示が加わっています。
それらを参考に制作された「ベン・ハー」、「クレオパトラ」、「ポンペイ最後の日」、「グラディエーター」などの映画のための靴やサンダルが展示されています。
そして、ハイブランドが古代のサンダルからインスピレーションを受けて制作したサンダルが展示されていました。



クレオパトラを演じた時にエリザベス・テイラーが履いたサンダルは、唯一ヒールが高くなっていて、あれ?と思ってみていたら、近くにいた見学者が、「彼女小柄だったからね」と友だちと話していました。
ローマの支配者階級もサンダル履きだったにもかかわらず、それを演ずる男性ハリウッドスター達は、なぜかブーツだったようで、展示されていたのはブーツにサンダル風のパッチワークを施したものなどで、中にはウェスタンブーツに似たデザインもあって、ちょっと不思議に感じました。
この展示会で扱われていた映画で、もっとも新しいものは、「アレキサンダー」や「グラディエーター」。「ベン・ハー」や「クレオパトラ」は50、60年代なので、当時、古代同様のサンダル履きには映画スターは抵抗があったのかしら、などと思ったりして見学していました。


映画を見た時には、古代風の甲冑や服に目が奪われ、足元に注意を払っていなかったことが、この展示会で気づかされました。
古代ローマの靴が発掘されて、靴が存在していたことは確かなのですが、スター達が履いていた靴と違って、通気性のためか美しく穴飾りが施され、柔らかく足にフィットする感じの靴でした。
古代ローマの足元のファッションに思いを馳せるユニークな展示でした。
映画ファンにも見逃せない企画だと思います。
4月19日まで開催されています。
パラティーナ美術館のついでに是非お立ち寄りください。
2020.1.22

shinako

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