「日本人はカルボナーラが好きだ」と、フィレンツェに暮らすようになってから、日本通のイタリア人に何度もいわれました。
カルボナーラのクリーム色は、ボロネーゼ(トマトのミートソース=赤)、ジェノベーゼ(バジルソース=緑)と合わせてイタリアの国旗のよう。
この3つのソースは、日本人に人気のある代表的なパスタソースです。
地元志向の強いイタリアで、トスカーナ料理と看板を挙げているレストランには、カルボナーラもジェノベーゼもなくて当たり前だったりします。
そんなメニューがあるフィレンツェのレストランは、旅行者をターゲットにしているなと思われるのです。
そして、それらを食べてみると、特別感のないものが提供されることが多いのです。
ジェノベーゼソースは、チンクエテッレなどリグーリア州を訪れた時、そして、カルボナーラはローマでぜひ味わってください。
ボロネーぜは、「ボローニャ風」の意で、ボローニャ風ミートソースのことです。ミートソースをイタリアではラグーといいます。
おそらく、イタリア全土にラグーはありますが、肉の配合や一緒に煮込む野菜の種類や割合、ワイン、香辛料などに微妙な違いがあります。
トスカーナで有名なのは、猪のラグー、キアーナ牛のラグーです。
カルボナーラをレストランメニューであまり見かけないフィレンツェですが、家庭ではたまに作られます。
ただ、地元の伝統料理ではないので、ローマのレストランで食べたものとは別物となります。
本場のレシピは、
卵は卵黄のみ
グアンチャーレ(豚のホホ肉の生ベーコン)
ペコリーノロマーノ
粗挽き黒コショウ
フィレンツェの家庭で作られるカルボナーラソースの材料は、
卵は全卵
ダイス切りで売られているパンチェッタ(生ベーコン)
グラナパダーノかパルミジャーノレッジャーノ(ミックス粉チーズを使う人も)
粗挽き黒コショウ
そして、サルモネラ菌を心配し、加熱するので固まりかかったような仕上がりにする人が多いです。
イタリアでは、コレステロールを引き上げるので卵は1週間に2個までと長らくいわれているそうで、頻繁に卵料理は食べません。
毎日のように卵料理を食べる日本人は卵好き、パスタソースの中で卵が使われているカルボナーラ好きとなるのだと思います。
私も家でちょくちょくカルボナーラをつくります。
基本的には、フィレンツェの家庭レシピに近い材料で、サルモネラ菌も怖いので加熱しますが、クリーミーさにはこだわります。
本格カルボナーラは黄色いソースですが、フィレンツェのカルボナーラは全卵を使うためクリーム色の仕上がりになります。
おいしく仕上げるコツはベーコンをカリッカリになるまで香ばしく炒めること。
白ワインを少し加えてアルコールを飛ばして、削ったチーズ、牛乳大さじ1(チーズを入荷させるため)を入れ、、卵を割り入れ、ごく弱火でかき混ぜ続けて、固まらないよう注意しながら加熱。
ゆであがったパスタをソースが入った鍋に投入。
ごく弱火で加熱を続けならがからめ、黒コショウを振り入れ完成。
ソースはあくまでクリーミーな状態であることがおいしさの秘訣だと思います。
ラグーは最低2、3日かけないとおいしくできないのですが、カルボナーラはパスタをゆでる間にソースも完成するので手早くでき、付け合わせにサラダを食べれば栄養のバランスもとれる便利な一皿です。
2020.4.1

shinako

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