ワイン好きの方ならこのトスカーナの小さな町の名前を知っているかもしれません。トスカーナ州プラート県のカルミニャーノという小さなワインの町。
小高い丘の上に建つ白い時計塔が印象的な町です。
時計塔の側は展望台になっており、ブドウ畑とオリーブ畑の丘陵地が見渡せます。
このカルミニャーノはキャンティー地区の側に位置していますが、生産しているのはキャンティーワインではありません。古いワインの歴史を持つこの町は、キャンティーになることをあえて拒んだといいます。
カルミニャーノのワインはサンジョヴェーゼを主体にカナイオーロやカベルネ・ソーヴィニオンといった品種の葡萄を合わせて作られるそうです。珍しいのは昔からフランスの外来種であるカベルネ・ソーヴィニオンを使っていることだそうで、外来種を使うようになったその理由はなかなかロマンチックな話があるのです。
1553年、メディチ家のカテリーナ・デ・メディチがフランス王家へと嫁ぎます。カテリーナはフィレンツェの文化をフランスへと持ち込んだ第一人者でした。そして、その逆も…。
結婚のお祝いに、フランスからはカベルネの苗木が贈られたそうです。こうしてフランス、ボルドータイプのワインがフィレンツェへともたらされました。
それを気に入ったメディチ家がカルミニャーノでカベルネを使ったワインを作るように命じたそうです。
当時の政略結婚は文化交流ともなっていたのですね。
カルミニャーノの町には小さいですがワイン博物館もあります。
カルミニャーノのワインは生産量が多くなく、そこまで有名なワインというわけではありません。
しかし、メディチ家にも愛されたワインなだけあり、とても美味しいワインです。
トスカーナを訪れの際は、メディチ家とフランス王家の結婚が生み出したメディチ家のカルミニャーノのワインを探してみてはいかがでしょうか。
2016.9.7

shiho

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