今年のカーニバルは、2月25日(火)。
カーニバルの前の週末だった23日、24日、フィレンツェはハイシーズン並みの人の多さ、ウフィツィ美術館も入場待ちの列ができていて、館内も人でいっぱいでした。
ほとんどの人はマスクなしですが、アジア人以外にもマスクをしている方がちらほら見えたので、コロナウィルスは念頭に観光されているのだなと思いました。
カーニバルは、復活祭前の四旬節の前です。
四旬節は、復活祭の46日前の水曜日から復活祭の前日までで、節制の期間となります。
カーニバルは節制の前に行われるお祭りですが、移動祭日の復活祭から換算されるため、カーニバルの日も毎年異なります。でも、必ず火曜日となります。
カーニバルのイベントは、その火曜日の前から、主に週末に、1週間から1か月ほどおこなわれていますが、最終日の火曜日にクライマックスを迎えます。
トスカーナでもっとも有名なカーニバルのイベントを開催するのは、ヴィアレッジョ。
最終日のお祭りの様子は、テレビ中継されます。
お祭りといえば、それにちなんだお菓子が付きものです。
イタリア全土で目にするのが、チェンチと呼ばれる揚げ菓子。
ほんのり甘みのあるクラッカーのようなサクサクの生地に粉砂糖をまぶした素朴な揚げ菓子です。
日本ではありえない超シンプルさが魅力で、この時期、朝食にカフェラテと一緒に、ぱりぱりサクサク食べるのがこの季節の私の楽しみのひとつです。
フリテッリ。
こちらも揚げ菓子で、お米入りのカスタードクリーム生地を小さなボール状にして揚げ、グラニュー糖をまぶしたもの。
甘いご飯に抵抗感がある方は苦手に思うかもしれません。
一口サイズで食べやすく、揚げドーナッツの一種と思ってください。
そして、フィレンツェならではのお菓子、スキアッチャータフィオレンティーナ。
上記の写真は粉砂糖で真っ白ですが、本来はフィレンツェのユリの紋章を型抜きします。
オーブンの天板にクッキングシートを敷いて生地を流し込んで焼いた、薄いスポンジ生地のごくごくシンプルなケーキですが、今が季節のオレンジの果汁とオレンジの皮を生地に混ぜ込むので、さわやかです。イタリアのお菓子の中では、甘さ控えめで、季節感が感じられます。
このケーキをアレンジして、生地の間に、ホイップクリームとカスタードクリームを混ぜたクリーム(シャンティリークリーム)を挟んだりもします。
イタリアは、もともと小さな国に分かれていたので、地域によって、お祭りの伝統菓子も違っていたり、同じものでも呼び名が違ったりします。
その辺の事情は、日本と似ているかもしれません。
先日、サント・スピリト広場の青空市場に出店していたナポリの屋台で、ナポリのカーニバルのケーキを買ってみました。
ミリアッチョというケーキで、リコッタチーズベースのベイクドチーズケーキです。
南イタリアのお菓子らしいオレンジの花の水らしき風味で、しっかり甘くてヘビーでした。一切れ食べるのにコーヒーを2~3杯飲むほどでした。
温暖化の影響か、すでに日中の気温は18度に達する日もあり、マグノリアの花も満開。
すっかり春になった感のフィレンツェです。
2020.2.26
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