フィレンツェは、秋晴れが続き、絶好の観光日和が続いています。
そんな中、世界遺産である「カステッロ」に行ってきました。
ここは、ボッティチェリの「春」、「ヴィーナスの誕生」が置かれていた別荘です。
「春」に描かれた多様な植物は、当時のカステッロの庭からきているのではないかといわれています。
16世紀半ば、コジモ1世の命により、その当時のイタリア庭園の最先端の幾何学デザインに整備されました。
メディチ家が途絶え、ハプスブルグの傍系ロレーヌ公の時代になると、庭園はかなり手を加えられました。
特に興味のなかった彼らによって、こまめな手入れが不要のイギリス庭園風に大きく変えられました。
当時の様子は、16世紀の終わりに描かれた別荘の絵を見てしのぶのみです。
彫刻などの造形物は保存のため、コピーに置き替えられたものもありますが、多くが当時のまま残されています。
その中でも、もっとも有名なのが、様々な動物で飾られた人工洞窟です。
2013年、メディチ家別荘群がユネスコ世界遺産に加わった後、かつての治水装置の再整備も含めた大規模な修復工事が行われました。コジモ1世の生誕500周年の今年、その修復工事が終わり、久しぶりの洞窟の一般公開となっています。
先日は、市主催の庭園のガイドツアーに参加してじっくり庭園を楽しみました。
柑橘類のコレクション、それを冬の寒さから守るためのリモナイア、そして、あまり知られていないジャスミンが栽培されている秘密の庭園区画を見学しました。
カステッロから徒歩10分程のところには、メディチ家のペトライアの別荘が有り、メディチ家別荘群の当時をしのぶ絵画のオリジナルや、カステッロの噴水彫刻の修復後のオリジナル作品、イタリア王家が使用した当時の内装が無料で見学できます。
庭園は8:30開園なので、早朝フィレンツェを出ると、2つの別荘を午前中にめぐる事ができます。
トラムT1カレッジ行きで「ヴィクトルエマヌエーレ」下車、市バス2、28に乗り継ぎ、「セステーゼ03」下車、そこから徒歩18分で行くことも可能です。(ただし、ほぼ上り坂です)
多少お金がかかっても楽な方法は、フィレンツェから、行きはペトライアまでタクシーを利用し、見学の後、下り坂と平坦な道のりのカステッロまで徒歩で庭園見学。(カステッロの別荘の建物内部はイタリア語研究機関が使用しているため別途有料予約申請が必要です。メディチ家当時のものはほとんどありません)
カステッロからバス停までは、別荘からまっすぐ伸びたジューリオ・ペギ通りを、大通りのセステーゼ通りまで歩き、バス停「セステーゼ06」で市バス2、28に乗車。「ダルマツィア」終点で下車、トラムに乗り継でフィレンツェ。
別荘の見学は午後も行っていますが、午前の方が、この時期は涼しく気持ちいいのと、植物がよりみずみずしい感じでお勧めです。
2019.9.18

shinako

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