フィレンツェから、シエナ行きの電車に乗り1時間足らずのところにあるチェルタルド。
駅を降りてすぐ広がる街は、特に情緒があるわけでもない生活感漂うごく普通の小さな街なのですが、そこから10分弱歩いたらケーブルカーの駅があり、旧市街とアクセスしています。
(けっこう短い距離なので体力が有る方は徒歩でどうぞ)
眼下に新市街が広がり、その向こうはトスカーナの田園風景が広がります。
ケーブルカーを降りると別世界。
まるで映画のセットのような優しいテラコッタ色の中世の街がひろがります。
デカメロンを書いたジョバンニ・ボッカチョゆかりの地で、街の中心にあるサン・ヤコポ・フィリッポ教会には、彼の墓標、そして、彼と同時代に生きた福者ジュリアも安置されています。
福者ジュリアは、この街の人々から大変敬われているかたのようで、彼女の祭壇や祭壇飾り、彼女ゆかりのものなどがあり、今年生誕700周年ということで、特別展も開催されていました。
そしてこの教会で目を引く1200年代の磔刑のキリスト。
その時代とは思えないリアルさです。
ロッビアファミリー作の美しい陶板の雪の聖母マリア、シエナ派のフレスコ画など、
街の歴史を感じさせてくれます。
私が訪れた時は、ちょうど秋祭りが開催されていて、旧教会で祭壇を目の前にしての試飲会、
メインストリートや広場にはイタリア各地から物産を売る屋台が立ち並び、中世テーマパークの様になっていました。
街で一番目を引くのは、古い紋章で飾られたプレトーリオ宮殿。内部は博物館になっています。
そして、この建物の左手に、ミラノを拠点に活躍された長澤英俊氏の作品「茶室の庭」があります。
テラコッタで覆われた街とのユニークなコントラストです。
チェルタルドの近くのサンジミニアーノは、すっかり有名になり、観光客でごった返ししていますが、チェルタルドは落ち着いた中世の情緒が残る街。
ぜひ訪れてみてください。
街の中には景色の美しいテラスでお食事できるカフェレストランや、街の地下に作られた伝統行事に使われる中世の衣装や武器の展示を見せてくれるところもあります。
2019.10.9

shinako

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