フィレンツェ歴史地区の少しだけ外側。フィレンツェを囲む城壁があった場所は現在大通りになっていますが、その大通りの真ん中に緑に囲まれた島のような場所があります。
中に入ってみると、そこには美しい緑と、美しい彫刻の数々があります。
ここは春になるとイリスがきれいに咲くのだそうです。
この美しい場所は…公園ではないのです。
実は…
墓地なのです。
こちらの墓地はフィレンツェ市内(歴史地区の側)にあるイギリス人墓地(Cimitero degli Inglesi)です。
1828年にカトリック教徒でない人たちのために造られた墓地で、イギリスを中心とする16ヵ国の芸術家、建築家、作家などの墓があり、その数は1409基にものぼります。
墓地なのですが、その彫刻の美しさに思わず見とれてしまいました。
まるでしくしくと泣き声が聞こえてきそうです…。
天気のいい午後に行ったので、他の見学者もいましたし、大通りのど真ん中にある墓地なので通る車の音などでにぎやかで怖くはないのですが…。
美しさと、悲しみとが一緒になった…何とも表現し難い空気があります。
一番印象的だった像は目隠しをした死神の像。
死神は人の顔を見ないで、貧富の差や権力の有無関係なく訪れる…ということのようです…。
イギリス人墓地はイタリアにいくつかある“記念碑墓地”であり、見学が可能です。
住所:Piazzale Donatello
夏期は月曜日~金曜日15~18時、冬期は月曜日~金曜日14~17時、月曜日のみ午前中9~12時にも入場可能です。
入場は無料です。
(入り口で記念碑維持のための寄付を任意で受け付けています。)
ちょっと違ったフィレンツェの一面が見られる場所かもしれません…。
2016.10.5

shiho

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