夏本番に入る7月。
私は関西出身なので、祇園祭、天神祭りと、お祭りシーズン到来といったイメージなのですが、ここフィレンツェでは、町の祭日6月24日のサンジョバンニの日が終わり、学校も、高校の卒業試験も終わり、バカンスに入り、街から離れる人が多くなってくる季節なのです。
そんな中始まるフィレンツェのサルディSaldi(夏のバーゲン)は、7月6日から9月初めまでと一応決められているのですが、慢性化しているイタリアの不況、バカンス前にいろいろ買っておきたい消費者のニーズもあいまって、実質的にフライングスタートしているのが現状になっています。
リナシェンテやコインなどのデパート、一部ブティックでも、顧客登録していると、ショートメールなどで会員証提示、着信メッセージ提示などで、最大半額セールが受けられます、という宣伝が6月初めごろから届き始めます。
(そして行ってみると50パーセントオフになる商品はほんのわずか、誰が買うんだろうという印象のものだったりするのですが)
私がイタリアに滞在し始めた10年ほど前は、今はサルディを止めてしまった一部ラグジュアリーブランドもセールを行っていて、店内商品ほぼすべてがセール価格だったのです。
今のように、これは定番品だから除外、これは新着商品だから除外、そしてバーゲン用商品に入れ替えられたようなバーゲンコーナーの山済み商品、なんてことはなくて、店内はバーゲンが始まる前と同じ、ただ値段が半額だったのです。
だから、バーゲン前に下見したり、バーゲン当日開店前早朝お店の前に並ぶ人たちが街頭インタビューを受けていたり、イベント色があったのです。
バーゲンが近づくと、昔はよかったなぁと、しみじみ思ってしまいます。
メリハリが無くなってしまったバーゲンなので、バーゲン前だからと値札をうのみにせず、これ幾らになりますか?と尋ねてみることをお勧めします。
そして、7月初め忘れてはいけない有名なイベントが、フィレンツェの長年のライバル都市だったシエナのパリオです。
7月2日と8月16日の2回開催される町を挙げての大イベントです。
イタリア各地の伝統行事の中でも、特に有名で、おそらく唯一、国営放送が全国に生中継するお祭りです。
シエナの世界で最も美しいと言われるカンポ広場に土を入れ、馬が走るコースが作られ、そこを17のコントラーダ(古くから続く街の自治組織)の内10のコントラーダの騎手が裸馬で3周して勝敗を決めるイベントです。
馬が駆ける前には、コルテオと言われる時代行列が練り歩き、とても華やかです。
もちろん出走する馬も行列に加わります。
勝者に与えられる美しい布から「パリオ」と呼ばれているお祭りで、毎回著名なアーティストによって製作されます。
それを見るのもこのお祭りの楽しみのひとつです。
スタートが決まるとあっという間なのですが、出走するコントラーダのくじ引き、馬選び、馬のくじ引きなど、街では宗教行事と絡めて1年を通してお祭りが進行しているのです。
そしてコントラーダはこのお祭りの資金集め、コントラーダの洗礼式、夕食会など様々な活動が行われ、時代行列の太鼓のリズムもコントラーダごとに異なるそうです。
フィレンツェのカルチョストーリコも、街を4つの地域に分けて戦われるのですが、ほんの一部のファン以外、まったく盛り上がりに欠ける寂しい現状があります。
2019.6.26

shinako

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