イタリア人にとっては、共和国記念日6月2日、が夏のプレバカンス的な感じではないかと思うのですが、今年は見事に日曜と重なり、飛び石連休(イタリアでは「ポンテ」と呼ばれます)にならなかったのですが、この日は、毎年フィレンツェ郊外の小さな中世の街、スカルぺリアでモ-トGPが開催されます。
普段静かな田舎の町がバイク好きで異様な賑わいとなります。
フィレンツェでは、先週はピッティ・ウオモ(紳士服)、今週はピッティ・ビンボ(子供服)、来週はピッティ・フィラティ(繊維や糸)のプレタポルテコレクションが開催され、6月は、観光シーズンと相まってイベント月間です。
特に先週の紳士服が最も盛り上がり、街中のブティックのウィンドゥも、このコレクションで扱われる半年先の商材の冬服が一部展示されます。
先取りで見られるのはうれしい反面、冬服なので何とも暑苦しく感じます。
そして今年は、シニョーリア広場やミケランジェロ広場を会場にファッションショーが開催され、高級ブティックが立ち並ぶトルナブォーニ通りでは伝統的な布地を使った飾りつけが施され、例年以上に特別感を引き出していました。
ピッティ宮殿内でも、世界的なスタイリストによる紳士服の特別展が、9月末まで開催されています。
屋外コンサートも、様々開催されます。
特にEstate Fiesolana(エスターテ・フィエゾラーナ)というフィエゾレにあるローマの古代劇場で行われるプログラムはちょっと特別感が味わえると思います。
フィレンツェのカルチョストーリコ(古代サッカー)も、この週末予選が終わり、6月24日決勝戦の組み合わせは白(サントスピリト地区)と赤(サンタマリアノヴェッラ地区)ときまりました。
試合前の午後4時からサンタマリアノヴェッラ広場を出発してサンタクローチェ広場まで選手たちを含んだ時代行列があります。
試合中継は、中央市場のフードコートの大型テレビでも観ることができます。
そして、6月24日の夜、10時頃から花火が行われます。
フィレンツェから電車でそれぞれ1時間程で行ける街、ピサとアレッツォでも町の性格を表す伝統的なお祭りが開催されます。
内陸アレッツォでは、ジオストラ・デル・サラチーノという流鏑馬に似た騎馬の試合が、6月22日と9月1日に開催されます。
フィレンツェのカルチョストーリコ同様、街を4つの地区に分け、勝者を決めます。
試合前の時代行列では、フィレンツェと比べ、馬が目立ちます。
イタリア中のお祭りで行われる旗振りですが、ここはテクニックがずば抜けてすばらしいのです。
6月22日は試合開始が夜遅く、観戦するならアレッツォに宿泊せねばなりませんが、9月1日は試合開始が午後6時なので、観戦後、電車でフィレンツェに戻ることも可能です。
そしてピサは、守護聖人、聖ラニエレの日の6月17日の前夜、ルミナーラという、ろうそくでアルノ川に面した建物の窓を飾る厳かなイルミネーション(夜9時開始)が行われ、当日はアルノ川で地区争いのボートレースが開催されます。
さらに、ピサでは、6月最終土曜日の夜開催のジョーコ・デル・ポンテと呼ばれる、これも街を川を挟んで6チームごと、計12チームで行われる綱引きを逆さまのした様な試合が行われます。
ガレー船の漕ぎ手の力比べから派生したような、大人数を要するお祭りです。
こちらも試合開始は夜。初めてテレビ中継を見た時は勝敗がなかなか決まらず、日が変わるころまで行われていました。
これは、私もまだ生で観たことがありません。
日中は暑くても、夜から早朝にかけてぐっと涼しいイタリア。涼しくなるのを待っての開催のためか、どのイベントも、時間が遅くて、他の町から見に行きにくいけれど、ローカル色が強くて、見ごたえのあるイベントです。
トスカーナならではのイベント、ぜひ楽しんでください。
2019.6.19

shinako

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