3月8日は、Festa della Donna(フェスタ・デッラ・ドンナ)、「女性の日」でした。
この日、イタリアでは、男性が女性にミモザの花をプレゼントします。
町のあちこちで、ミモザを片手に歩く女性の姿が見受けられました。
一見華やかな女性の日。
男性からプレゼントを受け、喜ぶ人もいれば、女性同士で楽しく過ごす人もいます。
女性が自由を楽しむのが普通な現在ですが、そこには、長い歴史上、この日にちなんだ悲しいストーリーがあるのです。
時は、1908年。
ニューヨークのワイシャツ工場で火災が発生します。146人もの命が失われた中、そのうちの123人が女性であったのです。多くの被害者は、イタリアから職を求めてやってきた移民だったということがわかりました。火災時、外から鍵を掛けられた状態だったそうで、逃げることもできずに失った命。当時の移民の女性に対する扱いは、まさに奴隷のようであったと言われています。
これを機に、女性の開放宣言がうたわれ、その運動をきっかけに、この日が「女性の日」とうたわれるようになったのです。
火災が起こった工場の跡地には、一本の黄色い花を咲かせる木が残っていました。
それが、ミモザの木であったと言われています。
女性が今、男性同様、活躍の場を得られるようになったのも、実は、こういった悲しいストーリーがあってのことだと思うと、胸にくるものがあります。
花屋さんの前には、黄色の綺麗な花が売られていました。
イタリアではこの日、大掛かりなストライキが繰り広げられていました。
女性に対する暴力に反したデモを行うためにです。
時代が変わっても、問題は尽きないのだと思わずにはいられません。
「今」という時代を楽しく過ごすことができること。
これ以外の幸せはないなぁと、この悲しいストーリーを知って、改めて思うのです。
「ミモザ」という名のケーキ。
フワッと柔らかく、甘い、まるで、「女性」を表現しているかのようなお菓子。
その日、スーパーで、ひときわ美味しそうに見えたのでした。
2018.3.14

yuki

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