イタリアでは、今年は例年と比べていまだ涼しく、そして雨の日が多い印象です。
日本ほど衣替えの意識が強くないからか、まだ寒い朝には、ウールのコートを着た人をみかけます。
この週末、ウェブの街歩きガイドのお仕事をいただき、本当に久しぶりにカメラ越しでしたが、旧市街地をいろいろ見て回りました。
屋外限定とはいえ予想以上の街の活気で、久しぶりに観光ガイドができてうれしかったです。
先週、キャンティ地方へドライブに出たときも観光客が増えているのを目の当たりにしたのですが、今週末の土曜日はお天気にも恵まれて大聖堂にも入場待ちの列が伸びていました。

旅行者の年齢層は若い世代で、小さな子どもたちを連れたヤングファミリーと学生たち中心といった印象です。
夏本番を前にドイツやイギリスでは猛スピードで新型コロナの予防接種を進めて、ドイツでは店内での飲食の営業が許可されたとのニュースがありました。ドイツ人観光客は猛暑の7、8月を避けてイタリアに来る観光客が多いので、6月にはさらににぎやかになるのだろうと思います。
観光受け入れ側のイタリアはというと、半ば無理矢理という感じで移動可能で営業制限の少ないイエローゾーンになり、美術館や劇場、映画館も営業を再開しました。
入場者数を少なくコントロールするために、開館時間や入場ルールを変更している施設が多く、さらにルール変更が頻繁に行われるため、事前チェックが必要です。
州をまたぐ移動が自由でも、電車やバスの座席はひとつ空けて座るようになっています。深夜22:00から早朝5:00まで外出禁止の制限があり、それに合わせて、イタリアの新幹線に当たるアルタヴェロチタと呼ばれる主要都市を結ぶ全席指定の電車は、朝の早い時刻と夜遅い時刻の電車がなくなり、本数が減ったうえに乗車人数も半分となっています。そして、コロナ禍以前のような格安チケットもなくなっています。
先週末車で出かけた帰りの高速道路が渋滞していたのですが、電車の格安チケットがなくなったことに加え、コロナの感染リスクも考えて、移動に自家用車を使う人が多くなったからなのだろうと思いました。
飲食業の夜間営業も許可されたとはいえ、屋外の飲食のみが許可されている状態なので、営業は天候に左右される状況が続いています。
土曜日に老舗レストランの裏を通ると、店内で使っていたテーブルと椅子を路地いっぱいに外に出して、青空の下で、テントもガゼボもないままサービスしていました。にぎわいが戻ってきたとはいえ、市街地の中の車やバイクの交通量は減っているので、店内で食べるより気持ちよさそうでしたが、翌日の日曜は雨が降り続く1日で、そのお店がどのように対応したのか気になりました。

また、バールのほとんどが、感染リスクを考慮してか、紙コップでのサービスを続けているので、分厚いエスプレッソカップの口当たり感がなくて、おいしいコーヒーもなんだか物足りない感じがします。早く陶器や磁器のカップでのサービスが戻ることを願っています。
トスカーナ州の予防接種は高齢者から徐々に若い世代へと進んでおり、今週40代の希望者の予約受付が始まったとのニュースがありました。予防接種を受けた人口が一定割合を超えると、ドイツと同様に屋内での飲食もでき、イベント会場も開かれ、公共交通機関の席の間引きもなくなり、コロナ禍以前に近い状態になるのではないかと期待しています。
2021.5.19

shinako

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