フィレンツェでも、日本同様安定しない天気が続く毎日です。
「NHKのニュースで観光客ゼロ、人通りのないフィレンツェの様子が報道されていた」と、先日、日本の家族から聞きました。
「それはちょっと今の状況とは違う」と思い、日曜日に買い物がてら町の様子を見てきました。
この日は、サントスピリトの蚤の市の日でした。
前回の倍以上の人出に感じました。
出店しているお店ごとに、前回同様消毒液が置かれていました。
前回と大きく違ったのが、お店の人もお客さんも、気軽に商品を手に取っているところです。
古着屋さんのテントの中では、数人の若者が入って商品を体に当てて品定めしていました。
(前回は、触れたら買わなければならないような神妙な雰囲気で、人の動きも少なかったです)
サンタトリニタ橋を越えて、ラグジュアリーショップが並ぶトルナブォーニ通りに行くと、例年と変わらないぐらい賑わっていました。
ストロッツィ宮殿で開催中の現代アートの展示会場は入場待ちの列ができていました。
改装工事が終わり再オープンした共和国広場の老舗カフェも、テラス席が埋まって活気が戻っていました。
大聖堂広場とシニョーリア広場を結ぶショッピングストリートのカルツァイオーリ通りも、たくさんのカップルや家族連れが歩いていました。
足りないのは観光ツアー客の姿のみといった感じでした。
ジェラート屋さんの前には行列もできていて、1週間前が嘘のようでした。
人が少なくて意外だった場所が、新メルカートにあるポルチェッリーノと呼ばれる猪のブロンズ像の辺りです。
普段新メルカートには革製品を中心にした屋台がたくさん立ち並び、活気があるのですが、まだ屋台が営業再開しておらず、ここだけがロックダウンを彷彿とさせる場所でした。
帰宅後聞いた夜のニュースでは、町の賑わいはほとんど地元民とのことでした。
でも、インターネットで宿泊施設を検索すると、空き室は「残り何室」と表示されたり、「空き室無し」の表示だったりします。
わずかながら町なかで在住者ではなさそうな外国人を見かけ、イタリアナンバー以外の車を目にする機会も徐々に増えてきました。
長引く天候不順も、海からフィレンツェなどの都市観光に国内観光客を誘致するのに一役買っている気がします。
日曜日の町の様子を見て、例年通り町が観光客で乗っ取られるのもそんなに先のことではなさそうな気がしました。
感染が進んでロックダウンに至る日々の変化も劇的でしたが、平常化に戻るのもそれに負けず劣らずのスピードを感じます。
イタリアの感染状況は地域差が激しく、ロンバルディア州の新規感染者が全体の80パーセント以上です。
しかしながら半数近くの州では、新規感染者がゼロを記録し、ほとんどの州で新規感染は一桁です。
イタリアのほとんどの地域は、安全に観光できるようなレベルになってきました。
2020.6.17

shinako

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