フィレンツェからシエナへ向かう道の途中にあるチェルトーザ修道院。
1341年にフィレンツェの富豪の寄進により建設が始まりました。
現在はベネディクト派の修道士たちが8人、この修道院で生活をしているそうです。
フィレンツェの町から車で10~15分ほどのところにあるチェルトーザ修道院ですが、とても静かな場所にあります。
周りはオリーブ畑の丘に囲まれています。
長い歴史の中、俗世を離れて、多くの僧たちがここで修行をしたのでしょう。
現在は修道院内部を修道院スタッフの案内のもと見学することができます。(イタリア語)
修道院内では、芸術作品の数々、そして、僧たちの生活の一部を垣間見ることができます。
修道院内で一番古いというキリスト磔刑像。
シンプルな外観とは裏腹に、聖堂内は豪華な造りです。
この聖堂の中で、僧たちは誰かと話すことは許されず、ただただ祈りをささげたのだそうです。
その祈りというのは“歌”だったそうで、僧たちの祈りの歌声が聖堂内に響きわたっていたと、案内役の方が説明してくださり、一部だけ歌って(祈って)くださったのですが…たった一人の歌声でも、聖堂内に美しく響いていました。
多くの僧たちがこの聖堂内で祈りをささげていたときは、一体どんな雰囲気だったのでしょう…。
聖堂を出て、いくつかの中庭と部屋を見学しました。
修道院内はまるで迷路のように広く、複雑です。
私にとって印象的だったのは、教会の長を決めるための部屋です。下の写真がそうなのですが、案内役の方の説明によると、部屋の奥に見える絵は一度も修復したことがないそうです。にもかかわらず、今でも鮮やかな色を残しています。そして、胡桃の木で作られた扉には僧たによって、シンボルや風景が彫られていました。
その後、主要な中庭へと出ました。
庭の中央には墓地があり、それを囲むように回廊がります。回廊には等間隔にドアと小さな窓がいくつもあります。
それらは僧房のドアです。ここで僧たちは俗世とは離れて生活し、神に祈りをささげていたのですね。
俗世から完全に離れるために、外の世界との関係を断った僧たち。人との接触を絶たなければいけないため、食事はドアの横にある小さな窓から支給されたそうです。
僧房内も見学することができます。
中はいたってシンプル。
けっこう広い部屋でしたが、家具は椅子、机、ベッドと必要最低限の物のみでした。
フィレンツェの町から車で10~15分とは思えない、緑の広がる静かな場所。
町の喧騒から離れ、心落ち着く場所です。
2016.2.17

shiho

最新記事 by shiho (全て見る)
- さすがイタリア!窯焼き本格ピッツァを自宅で楽しむ - 2017年3月15日
- 旅行に役立つイタリア語 ~ショップ編~ - 2017年3月8日
- フィレンツェの郷土料理「リボッリータ」の作り方 - 2017年3月1日