ミケランジェロ広場の下に広がるアイリス園が5月9日から開園しました。
早速、園内を散策してきました。
例年出入口はひとつなのですが、コロナ感染対策で、入口と出口を分けていました。
門をくぐると、消毒液が用意してあり、スタッフの方が来場者に手の消毒をうながしていました。
また、人がすれ違うことがないよう、園内を回遊できるように矢印とロープで順路が作られていました。
これまでは園内自由散策だったのですが、なじみのある日本の菖蒲園のようだなと思いました。
例年なら4月半ば過ぎごろから開園しているので、開期後半の時期、すでに花が咲き終わってしまっている品種もありましたが、それでも虹色の美しい様々の品種の花を楽しむことができました。
香りも様々で、品種によって香りが強いものなど、香りをかぐのも楽しみなのですが、今年はマスク着用なので香りがあまり楽しめなくて残念です。
庭園の奥のほうに小さな池があり、黄菖蒲が咲いていました。
他はすべて華やかなジャーマンアイリスなので、それと比べると鮮やかな黄色とはいえ、清楚な印象を受けました。
菖蒲園と違って、土植えのジャーマンアイリスで、園内は傾斜地になっています。
ほかにイタリアらしい植物、オリーブ、バラ、ザクロ、アーカンサス(葉っぱがギリシャのコリント様式の柱頭飾りのデザインの元になっている植物)も植わっていて、ちょうど花が咲いていて変化を与えてくれています。
順路が終わる付近で、アイリスの苗やアイリスの香りのせっけんなどが販売されています。
最近知ったのですが、アイリスの香りは根茎から取るそうで、数年かけてようやく抽出できる大変高価な香料だそうです。
それを手掛ける農園がフィレンツェの郊外にあります。
そして、フィレンツェ共和国、市の紋章は、「フィレンツェのユリ」と呼ばれますが、そのデザインはアイリスからきているといわれていています。
おそらく、そこから街のシンボルカラーはヴィオラ(紫)で、フィレンツェのサッカーチーム、フィオレンティーナのチームカラーも紫なのです。
日本で紫は高貴な色という印象が一般的ですが、イタリアでは高貴なイメージもあるそうですが、それより死と結びつくイメージがあると聞いて驚きました。
四旬節と関連付けられ、神父様が葬儀で身に着ける色だからだそうです。
薄紫は「リラ(ライラック色)」といい、日本で藤色というのに似て、別の色扱いなので気にしなくてよさそうです。
ロックダウン緩和から1週間たった土曜日のミケランジェロ広場の様子は、人の多さはあまり変わらない感じでしたが、にぎやかな声が聞こえてきました。
先週は、みんなまだビクビクしていて、おしゃべりも小声でボソボソだったのですが、人を呼ぶ声や子どもの歓声が聞こえて、週末らしい明るい雰囲気がしていました。
飲食のテイクアウトも解禁され、広場から階段を降りたところに広がるサン・ニコロ地区にあるジェラート屋さんやバール、レストラン、ピッツァ店などが営業を再開していました。
厳密には家に持ち帰って食べることとなっていますが、かなりの人がお店周辺やミケランジェロ広場で食べるつもりらしく、ピッツァの箱を持って坂を上っていました。
アルノ川沿いを18時ごろ通った時は、散歩に出る時間帯だったこともあって、先週と比べてかなりの人出でした。
感染者が増えずに街の活気が戻ることを願うばかりです。
2020.5.13

shinako

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