イタリア半島は荒れ模様の天気が続いています。
そんな中、ルッカのガイド勉強会がありました。
奇跡的に雨に降られることなく、楽しく有意義なひとときとなりました。
ルッカは、ハイシーズンもヨーロッパの落ち着いた雰囲気がしっとりと漂っていて、ヨーロッパ観光客からの絶大な人気を誇る街です。
元々ヨーロッパ域内からの旅行者が多かったルッカの街は、道行く人がマスクをしている以外、以前とあまり変わりがない印象を受けました。
今回はそんなルッカのレストランで食べた伝統料理を5品紹介させていただきます。
まずはパスタ2種
●マッケローニ・アッローボ・ストルデッラーティ Maccheloni all’uovo stordellati
マッケローニは、イタリアで一般的にマルタリアーティと呼ばれる乱切りされたパスタのルッカでの呼び方だそうです。そしてソースの名称ストルデッラーティという名称もどの様なソースかイメージできず、お店の人に尋ねると、ほうれん草入りミートソースとのことでした。
トマトが少ないミートソースの仕上げにほうれん草を加えたようなソースでした。ほうれん草がミートソースの味に変化をつけて、飽きずに食べられるアイデア料理だと思いました。
●トルデッリ・ルッケーズィ・コン・ラグー・ディ・カルネ Tordelli lucchesi con ragu di carne
トルデッリという名称の詰め物パスタです。餃子のような半円形で、中の詰め物もお肉ベースでソースもじっくり煮込んだミートソースです。お肉にお肉を合わせた、かなりしっかりしたパスタ料理です。
次は、メイン2種
●ロヴェッリーネ・アッラ・ルッケーゼ Rovelline alla Lucchese
コトレッタ牛か子牛肉のカツにケッパーを加え、トマトソースで煮込んだもの。
残り物のコトレッタをトマトソースで温めて食べた始末屋のルッカ人気質が現れた料理と聞いたことがあります。
●ブリオーネ・アッラ・ルッケーゼ Bulione alla Lucchese
兎、鶏、豚、牛4種類のお肉を、ローズマリーとジェニパーなどの香辛料と白ワインで一緒に煮込んだ料理です。
白ワインで煮込むのは、ルッカ県で有名なワインが、モンテカルロという町の白ワインだからかもしれません。
意外な組み合わせに感じましたけれど、4種のお肉の旨味が上手く調和してとても美味しかったです。
フィレンツェの料理にはボッリートというシンプルな茹で肉料理以外、様々なお肉を混ぜて料理するものがないので新鮮に感じました。
デザートは3種類のクリームのタルトを味見しました。
その中でも珍しいものが、トルタ・コイ・ベッキ Torta coi becchiという野菜のタルトです。
野菜のタルトと言っても甘いデザートとして味付けされたビエトラ(日本名:フダンソウ)を使ったクリームのタルトです。
和菓子のよもぎ味の外郎に似た食感と味のクリームがタルト生地にたっぷり乗せて焼かれていて、意外と郷愁を感じる味でした。
メディチ家の支配を受けなかったトスカーナ唯一の都市国家だったルッカは、メディチ家の街のフィレンツェにない独自の食文化が色濃く残されているように感じました。
ピサから車で20分、フィレンツェからは1時間、ローカル線やバスでもアクセス可能です。
全周4.2キロメートルの遊歩道になった市壁に囲まれたとても魅力的な街です。
2020.10.7

shinako

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