イタリアの暑さも本格化しだして、30度台後半まで気温が上がる日があります。
コロナウイルスの感染状況の落ち着きと、この気温のためで、イタリアでは屋外でのマスク着用義務がなくなりました。
鳥のさえずりも暑い日中はほとんど聞こえてこなくなり、小鳥もこの暑さに、日陰でひっそりと夕方涼しくなるのを待っているようです。
先週から、ウフィツィ美術館は、週末だけでなく平日も朝から営業をはじめています。
例年と比べ、まだ比較にならない人の数の少なさですが、平日も観光馬車が走り、観光客が確実に戻ってきています。
さて今日は漫画のキャラクター「マファルダ」をご紹介します。
本の整理をしていたら、イタリア語漫画の小冊子が出てきました。
イタリアで暮らすようになるまで知らなかった漫画のキャラクター「マファルダ」です。
作家はアルゼンチンのキノという作家で、1964年から描き初めてブレイクしたのが1965年頃からです。
10年近く書き続けられた6歳の女の子、マファルダを主人公にした原作スペイン語の4コマ漫画です。
マファルダが終了したのは作家のキノ氏がマファルダを通して伝えたいメッセージをすべて伝えたからだそうです。
人気漫画となり、さまざまな言語に翻訳され、日本でも一部翻訳出版されています。
イタリアにこの漫画が入ってきたのは、1969年だったそうです。
今でもイタリアの本屋さんの漫画、児童書コーナーに行くと存在感のあるマファルデに出会えます。
キャラクターグッツも豊富で、文具やマグカップ、布製のサブバックやリュック、Tシャツなど、本屋さんの文具コーナーや学用品を販売しているお店でよく見かけます。
母国アルゼンチンでは、日本のドラえもんやサザエさんのような存在だそうです。
でも、街でマファルデキャラを持ち歩いている小さい子どもはほとんど見かけず、中学生以上や大人の女性が持っている率が高いように思います。
私が持っている古い単行本には「対象年齢8歳から」とかかれていますが、。
作家が伝えたいメッセージを込めて描いただけあって大人が楽しめる内容です。
この漫画が描かれた頃、ベトナム戦争、アフリカの飢餓問題、国内の貧困格差拡大などの社会問題、月面着陸に代表される技術革新のニュースが般家庭で見ることができるようになりました。
そんな時代にまだ幼いマファルダは、テレビを見るのが好きで、ニュースや日々の生活のちょっとした出来事で感じた疑問を両親に質問して親を困惑させます。地球の将来を心配する、社会問題に強い関心を持った大人びた面と、野菜スープが大嫌いという子どもらしさもある女の子です。
マファルダの家庭環境は核家族で、お父さんは満員電車で通勤するサラリーマン、お母さんは専業主婦で掃除とアイロンかけなど家事と子育てに追われる専業主婦です。
漫画が描かれたころの日本と社会背景も似ているので、マファルダと自分の小さい頃の共通項も多く、共感しながら楽しく読むことができました。
そして50年経ってもなお愛され続けているのは、この漫画で取り上げられている社会問題が今も続いているため古びた感じがしないからかもしれません。
初めてマファルダを見たころは、あまり可愛くないキャラクターで(チャーリーブラウンもそうですが)、「なんで人気があるのだろう?」と不思議でした。でも、漫画を読むと、表情豊かで愛嬌いっぱいのインテリジェンスがあるしっかり者で、マイペースだけど時には両親を年下の兄弟のように気遣ったりする力強いキャラクターです。
漫画を読むとマファルダの根強い人気に納得できます。
動物の癒しキャラクターはよくあるけれど、元気がもらえる、自分の分身のように親近感が湧く珍しいキャラクターです。
機会があればぜひ読んでみてください。
2020.7.1

shinako

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