フィレンツェから車で1時間半強。エミリア・ロマーニャ州のモデナでイタリアを代表する食材が生産される場所を見学してきました!
今回はその一つ、バルサミコ酢醸造所見学の様子をご紹介します。
イタリア料理の隠し味としても欠かせない、バルサミコ酢。バルサミコ酢は法律で定められた厳しい品質管理と工程のもと、エミリア・ロマーニャ州のモデナ、またはレッジョ・エミーリアでつくられます。
12年以上、18年以上、25年以上と樽で熟成される伝統的なバルサミコ酢。中には100年を超えた熟成期間の物もあります。
醸造所に到着して、まずは醸造所の歴史を紹介してもらいました。
下の写真のバルサミコ酢の樽はエッフェル塔が建設された1889年のパリ万博に出展され、賞を受賞したものだとか。ですから、この樽も100年をゆうに超えている物なんですね。
醸造所の歴史を説明してもらった後は、実際にどのようにバルサミコ酢が作られ、どこで熟成されているのか見学をさせてもらいました。
こちらの写真は乾燥した酢母。これを葡萄濃縮果汁に入れることによってお酢になるのだそうです。
醸造所にあった酢母を入れる前の葡萄果汁が入った樽。甘い葡萄の香りがしていました。
小さな部屋にあったバルサミコ酢の醸造樽。こちらの樽では伝統的な製法を守り、長い年月をかけてバルサミコ酢が熟成されています。バルサミコ酢DOPです。
DOP(Denominazione di Origine Protetta)とは、原産地名称保護制度のこと。産地、伝統的な製法など、細かく定められた基準を満たしていないとこのDOPを名乗ることはできません。
他にもたくさんのバルサミコ酢の樽がありました。
「バルサミコ酢」と一言で言っても、たくさんの種類があるのだと、今回の醸造所見学でよく分かりました。伝統的な工程で作っていても、熟成期間が短い物(それでも、6年以上や8年以上)の物はDOPを名乗れなかったり…。
イタリアでも高価なバルサミコ酢ですが、こうした作り手さんの苦労や、費やされる時間、希少価値を考えれば、高価なのも納得です。
さてさて、醸造所見学の後は、バルサミコ酢の試飲をさせてもらいました。
熟成期間6年のものからどんどん古い物へといろいろ試飲させてもらいました。
中には、DOPの物も。
DOPを名乗るバルサミコ酢は上の写真のような瓶に入れらることが決められているそうです。瓶の形まで決められているとは驚きですね。
DOPのバルサミコ酢はドロッとしていて酸味がそれほど強くなく、とてもまろやかで、料理やチーズにかけて食べるのはもちろん、イチゴやジェラートなどデザートにかけてもおいしくいただけそうです。
そして、熟成期間50年以上、100年以上のバルサミコ酢も試飲させてもらいました!
上の写真左の物が100年以上のバルサミコ酢、右の物が50年以上のバルサミコ酢です。
お味はというと…特に100年物の方はほとんど酸味がなく、酢というよりはハチミツのような味がしました。
醸造所の方のお話によると、これほど古いものはDOPを名乗れないのだとか。
食材の価値うんぬんというよりも、歴史をいただく…という感じでしょうか。とても貴重な経験でした。
フィレンツェから日帰りでも行けるモデナ。
モデナと言えば、バルサミコ酢、そして…もう一つイタリアを代表する食材でこの地域でしか生産されないものがあるのです。その工場へも行ってきました!
そのお話はまた後日。
2015.12.16

shiho

最新記事 by shiho (全て見る)
- さすがイタリア!窯焼き本格ピッツァを自宅で楽しむ - 2017年3月15日
- 旅行に役立つイタリア語 ~ショップ編~ - 2017年3月8日
- フィレンツェの郷土料理「リボッリータ」の作り方 - 2017年3月1日