皆さんは下の写真の美しい絵が、何からできているか分かるでしょうか?
よく見て頂くと分かると思うのですが、実は…石からできているのです。
様々な色の貴石を隙間を開けないようにぴったりと組みあわせ作られるモザイクは、まるで柔らかな筆で描かれた絵画のようです。
この貴石で作られるモザイクは、フィレンツェの伝統工芸の一つ、フィレンツェモザイクとして、その技術、作品が受け継がれています。
1588年にフランチェスコ1世・デ・メディチによってウフィッツィ美術館の側に工房がつくられ、礼拝堂の装飾などの作成にあたり、その技術は発展してきたそうです。
18世紀の終わりに工房は大聖堂近くの現在の場所に移されました。
今、その場所は貴石加工美術館として一部一般に公開されている他、修復研究所となっています。
今回はその貴石加工美術館をご紹介しようと思います。
フィレンツェの大聖堂から歩いて5分くらいの場所にひっそりとある貴石加工美術館(Museo dell’Opificio delle Pietre Dure)の入り口。
(ミケランジェロのダヴィデ像で有名なアッカデミア美術館のすぐそばです。)
チケットを買って中に入ると、朝一番に入ったこともあって、私以外誰もおらず、ゆっくり、じっくり作品を愛でることができました。
フィレンツェモザイクは教会などの装飾に使用されただけではなく、テーブルや家具の装飾としても使用されています。
これが石でできているなんて信じられますか?
何百年も前から、人の手によって、硬い石で作られてきたなんて…。
作品を目の前にしても、なんだか信じられません。
美術館の中には宮殿の一室のような部屋もあって、フィレンツェモザイクで装飾された家具は、こうして使用されていたのだなと想像しやすかったです。
美術館の2階へと行くと、貴石加工作業場の様子が再現されています。
壁に並んでいるのは作品に使用される様々な種類の石の標本。
また、石を切り、すでに花や鳥の形となっている物も展示されていました。
フィレンツェのウフィッツィ美術館、アッカデミア美術館、パラティーナ美術館に比べるとそれほど広くもなく、あまり知られていない貴石加工美術館。
しかし、見応えがあり、あまり混んでいないのでゆっくりと作品を鑑賞できるオススメの美術館です。
貴石加工美術館 Museo dell’Opificio delle Pietre Dure
住所:Via degli Alfani 78
開館時間:月曜~土曜 8:15~14:00
2016.6.8

shiho

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