今回は、フィレンツェのオニッサンティ広場にある、オニッサンティ教会の見どころをご紹介します。
外観が地味な教会が多いフィレンツェですが、オニッサンティ教会は、教会全体、バロック時代に手を加えられた部分が多いため、美しく、内部の天井画もだまし絵のテクニックを使ってダイナミックで華やかに装飾されています。
●ボッティチェリとギルランダイオ
オンニッサンティ教会には、ボッティチェリの代表作のフレスコ画「書斎の聖アウグスティヌス」があります。
ギルランダイオの「書斎の聖ヒエロニムス(ジローラモ)」と見比べることができるのが魅力です。
制作されたのは二人がシスティーナ礼拝堂の壁画制作に派遣される前の1480年。
フレスコ画とは思えない細部までの細かい表現が特徴的です。
ボッティチェリの描く聖人は、熱くみなぎるエネルギーに満ち溢れていて、ギルランダイオの描く聖人は、静かにすべてを悟ったかのような静かな印象をうけます。
好みもあると思うのですが、私はボッティチェリの作品により魅力を感じて、訪れるといつも見入ってしまします。
●ギルランダイオ作のチャペル
この教会では、ギルランダイオ作のベスプッチ家のチャペルがあり、当時のベスプッチ家のメンバーの群像肖像画となっている壁画も見ることができます。
●ジョット
主祭壇に向かって進んでいき左翼を見ると、1315年ごろ描かれたと考えられているジョットの磔刑のキリストがおかれています。
ウフィツィ美術館所蔵の名作、ジョットの「荘厳の聖母子」は、この教会から運ばれた作品です。
●ギルランダイオのお墓
右翼に進んで、向かって右側のチャペルの左隅に、ボッティチェリのお墓があります。
いつ行っても、お花やメッセージカードが置かれていて、人気の高さを思わせます。
●「最後の晩餐」
正面左側に、修道院だったスペースがあり、ギルランダイオ1480年作の「最後の晩餐」があります。
月曜と土曜の9:00~13:00に見ることができます。
中庭のフレスコ画も美しいので、お時間が合えば、ぜひ訪れてみてください。
レオナルド・ダ・ヴィンチが、彼の最後の晩餐を描く前に見ているはずの作品です。
●おまけ
ちなみに、この教会の左に、警察署(カラビニエーリ)があります。
盗難や置き引きなど、被害にあった時、被害届を出すのは、ここがわかりやすいです。
また、この教会の近くには、評判の老舗レストラン、5ツ星ホテル、老舗の工房やお店、お菓子屋さん、ジェラート屋さんがそろうエリアで、駅からも比較的近いので、街歩き観光もおすすめです。
オニッサンティ教会
住所:Borgo Ognissanti 42, Firenze
入場可能時間:9:30~12:30、16:00~19:15
2020.2.5

shinako

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