フィレンツェから日帰り旅行も可能なエミリア・ロマーニャ州モデナを訪れた際、パルミジャーノレッジャーの工場も訪れました。
パルミジャーノレッジャーノは、エミリア・ロマーニャ州の決められた地域で育てられた牛からとれる牛乳を使い、その地域で生産され、法で定められた厳しい基準を満たしたチーズしか、その名を名乗ることはできません。
せっかくモデナまで来たので、そのパルミジャーノレッジャーノが誕生する場所を是非見てみたいと工場見学に申し込みました。(事前予約すれば工場内を見学させてくれる工場があります。)
まず、工場スタッフからパルミジャーノレッジャーノという名を名乗れるチーズになるまでには、どれだけ厳しい審査を通らないといけないか話を聞き、簡単にチーズ製造の過程を説明してもらいます。
そして、いよいよ工場内見学!
まず案内されたのはその日の朝の搾りたての牛乳を入れる大きな鍋がある部屋。
毎朝、この鍋にフレッシュな牛乳が入り、チーズへとなる準備が始まります。
私が工場見学をしたのは午後だったので、鍋で牛乳が混ぜられ、牛乳から分離したチーズを布で引き上げる作業は見学できませんでしたが、朝早く行けばその作業も見学できるようです。
毎日、毎日、朝早い時間から多くのチーズが作られていくのですね。
その水分たっぷりの鍋からがあがったばかりのチーズは他の部屋に移され、型にはめ、上から重りを乗せて水分を抜いていきます。
その際、型には下の写真のプラスチックの帯が付けられるそうです。
プラスチックの帯には製造年月日、また、PARMIGIANO REGGIANOという文字などが一面に点字のように書かれています。こうしてあのパルミジャーノレッジャーノ独特の外側の模様ができるのですね。
水分がある程度抜けたチーズは、その後、塩水のプールへと浸けられます。
こうして、本物のパルミジャーノレッジャーノになるための準備が整ったチーズは室温管理のされた倉庫へと移され、熟成されます。
チーズが熟成されている倉庫も見学させてもらいましたが、その数の多さにビックリしてしまいました。
倉庫の扉が開くと、目に飛び込んできたのは下の写真の風景。
天井高くまで積み上げられたパルミジャーノレッジャーノの棚がたくさんありました。
その風景は正に圧巻でした!
どこを見てもパルミジャーノレッジャーノ!
こちらの工場の倉庫には33,000個以上の様々な年代のパルミジャーノレッジャーノがあるそうです。
棚は年代別に分かれていて、工場のスタッフが金槌を取り出し、まだ若いチーズを叩くと、ゴムのような鈍い音がしました。
それに対し、熟成10年というパルミジャーノレッジャーノを叩いてみると…石を叩いたような、コーンという音が響きました。
こうして音を聞くことにより、チーズの熟成度などが分かるそうです。
ある一定期間の熟成期間の後、一つ一つのチーズが審査され、厳しい基準を満たしたものだけがパルミジャーノレッジャーノと認められ、チーズの外側に焼き印を押すことを許されます。
正に、選ばれたチーズなのです。
イタリアでも高級チーズなのが頷けます。
その価値は、銀行で融資を受ける際の担保にもなるというくらい!
写真では一つのパルミジャーノレッジャーノの大きさ分かりにくいですが、だいたい重さにすると35Kgから40Kgくらいだそうです。
パスタの上にすりおろしたものをかけたり、そのまま食べてもおいしいパルミジャーノレッジャーノ。イタリア料理には欠かせないチーズです。
イタリアへいらっしゃったときは、ぜひ、味わってみてくださいね。
2016.1.13

shiho

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