先日、フィレンツェからピストイアへ日帰りで行きました。
フィレンツェから電車で30分程です。
トスカーナ州には10の県があり、この街はピストイア県の県庁所在地。
歴史的には紀元前5~6世紀まで遡ることができる歴史ある街です。
駅を降りて、真っ直ぐ北に延びた大通りを歩くと、両サイドに古い市壁の残骸が見える所にやってきます。
ここからが旧市街地でにぎやかになります。
私が訪れた土曜日は市が立ち並ぶ日で、広場だけではなく、旧市街地中が衣料品や雑貨を売る屋台であふれかえっていました。
とはいえ、この街を埋め尽くす屋台は、昼過ぎ撤収されるので、午後はいつもの落ち着いた風情に戻ります。
町の中心は大聖堂広場です。
この広場に面してロマネスク様式の大聖堂、洗礼堂、市庁舎、裁判所と歴史的な建物が集まる広場です。
(屋台だらけで写真を撮り忘れてしまいました)
この少し手前の小さな広場、サーラ広場は古くから食品を扱う市場だったところで、真ん中にフィレンツェがこの街を征服したことを象徴するような井戸があります。
周囲は食品を扱う商店で取り囲まれ、八百屋さんの店先にはアペニン山脈で収穫されたらしきキノコや、今がシーズンのブルーベリーが並んでいました。
ここを過ぎて、大聖堂広場にはインフォメーションセンター、洗礼堂の中にチケットオフィスがあります。
大聖堂わきの大司教の館も考古学博物館となっています。
大聖堂はロマネスク時代独特の厳かさがあり、ブルネレスキが携わった銀細工の祭壇、入り口のデッラ・ロッビアの美しい陶器の聖母子と飾り天井、コッポ・ディ・マルコバルド作の磔刑など有名アーティストの作品があります。
そして昔の病院だった建物は、その活動とマリア様の物語をデッラ・ロッビアが釉彩テラコッタで飾った装飾で有名です。
そしてサンタンドレア教会。
ここにはジョバンニ・ピサーノ作の説教壇があることで有名です。
ピサの大聖堂、シエナの大聖堂の説教壇も彼の作品なので見比べるのも興味深いです。
そして、ロマネスクから一挙にバロックのスピリトサント教会。
バロックを代表する芸術家、ベルニーニ設計の主祭壇と、ピエトロ・ダ・コルトーナの祭壇画で飾られたメインチャペル。
この教会からフィレンツェ大聖堂のクーポラに似たものが見えます。
ヴァザーリの設計で作られたクーポラで、マドンナ・デル・ウミルタ教会です。
人口9万人の小さな街なのですが、美術館や見どころのある教会が多くて、中世の趣のある街並み。
見どころはあるのに観光化されていない良さ。
ミシュランの推奨のカジュアルレストランもある、山の幸に恵まれたグルメな町です。
駆け足観光なら半日この街で過ごし、ピストイアから、電車で40分ほどのルッカ、または10分ほどのプラートとあわせて観光することも可能です。
入場観光をしてめぐるなら、1日みておかれることをお勧めします。
2019.9.11

shinako

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