復活祭前の聖週間(イタリア語で「セッチマーナ・サンタ)」が始まりました。
本来なら、この期間は学校はお休みです。キリスト教の国では春のバカンスとなるので、フィレンツェは大変な混雑となっているはずですが、新型コロナウィルスの影響で街は深い眠りについたままです。
厳しい外出禁止令解除予定日は、先延ばしが続いて、復活祭も外出禁止の状態で迎えることが決まりました。
ほっとしたことに、イタリアはようやく感染悪化の長いトンネルの先の明かりが少し見えてきたような兆しになってきたことです。
ここで、フィレンツェの聖週間を日ごとにご紹介します。
・復活祭の1週間前の日曜日
キリストの「エルサレム入城の日」。この日から聖週間が始まります。
信者がオリーブの枝を手にしてミサに参列します。
(今年は、各地の教会では、信者を入れずにミサだけが執り行われました。)
・最後の晩餐の木曜日
夜にミサが行われます。
キリストが弟子の足を洗ったことから、洗足式を行う教会もあります。
・キリストが磔刑にかけられた金曜日
フィレンツェ近郊の街、グラッシナでは、伝統行事として街を会場とした受難劇が行われます。
・キリストが埋葬された土曜日
土曜の日没から深夜にかけて復活祭のミサがあります。
木、金、土の3日間は、カトリックの伝統を守る方は肉を口にしません。
・復活祭当日の日曜日
フィレンツェでは、教会のミサに引き続き、「スコッピオ・デル・カッロ」というイベントが行われます。花火を積んだ山車がキアーナ牛に引かれて時代行列と共に街を練り歩き、大聖堂の正面で白いハトの人形により着火するというもので、その年の吉凶を占うイベントでもあります。
(今年は、中止になりました。)
そして昼食は、家族みんな揃って復活祭を祝う盛大な料理を楽しみます。
復活の象徴である卵と季節のアスパラガスを前菜にしたりもしますが、前日から複数のパテなど用意する家庭が多いようです。
パスタ料理も複数用意するところが多いです。
メインは子羊と決まっていて、オーブン焼きが一般的なようです。
一匹丸のまま料理する家庭もあるそうで、お肉屋さんで初めて見た時にはびっくりしました。
デザートの定番は、復活祭の「コロンバ」というパン菓子と、卵型の巨大なチョコレート。
この時期スーパーやお菓子屋さんに山積みにして売られています。
ただ、ここ数十年、「家族で過ごすクリスマス、友達や恋人と楽しむ復活祭」といわれています。学校も休みなので、家族で過ごす場合も、旅行に出かける家庭が多く、地元に残って家族で祝う家庭は少なくなっていました。
今年は、各家庭で手作り料理でのお祝いとなる、とても地味な復活祭になりそうです。
2020.4.8

shinako

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