フィレンツェの歴史地区の端、アルノ川沿いにあるゼッカの塔(Torre della Zecca)。
その昔、まだフィレンツェが城壁で囲まれていたころ、この塔は城壁の一部として造られたそうです。
私はよくこの塔の側を通るのですが、フィレンツェに12年以上住んでいても、一度も登ったことがありませんでした。
それもそのはず。この塔は15年もの間閉鎖されていたのです。
それが2014年からの修復工事により修復され、現在は限られた日のみ一般にも公開される(要予約)ということで行ってきました!
予約した時間に塔へ行くと、いつも閉まっている扉が開いていて、スタッフの方たち、私と同じように見学する人たちがたくさんいました。
塔の中に入ってみると、外観と同じく、内部も粗い石造り。そこに上へと続く階段があり、スタッフの方の指示に従い順番に上って行きます。
階段を登り始めてすぐは螺旋階段が少し続きます。
塔は三階建てになっています。
それぞれのフロアには塔の歴史や修復の様子などの写真、説明の書かれたパネルがありました。
上へ、上へと細い階段を登って行きます。
そして、最上階からは屋上へと続く階段があり、屋上に出てみると…
この景色!
息をのむ美しさでした!
この角度からフィレンツェの町を眺めるのはもちろん私は初めてです。
写真左奥に見えるのがベッキオ宮殿、左手前にサンタクローチェ教会、そしてフィレンツェの大聖堂。
塔からは360度パノラマを眺めることができます。
塔の上から見える穏やかなアルノ川の流れ。
城壁があった場所は現在フィレンツェの歴史地区を囲む大通りになっています。
向こうの丘の上に見えるのはフィレンツェよりも歴史の古いフィエーゾレの町。
アルノ川対岸にはサン・ニッコロの塔。
実は、このゼッカの塔とアルノ川の向こうにあるサン・ニッコロの塔とは地下道でつながっているのです。
上の写真のアルノ川に、少し段になって滝のようになっているところがあるのが分かるでしょうか。
その下に防衛用の地下道があるそうです。
現在、地下道は一般公開されていませんが、スタッフの方々も「いつか公開されるように…」とおっしゃっていました。
また、地下にあるのは地下道だけではなく、そこでフィレンツェ共和国の通貨フィオリーノがアルノ川の水力を利用して造幣されていたそうです。
塔の名前であるゼッカ(Zecca)とは、イタリア語で「造幣所」のことなのです。
フィレンツェの絶景スポットはいくつかあり、これまでにもご紹介してきましたが、ゼッカの塔も間違いなくフィレンツェの絶景スポットの一つです!
このゼッカの塔の公開日は少なく、登れる日は限られています。
今年は残り2回、8月6日と9月18日、17時から20時の間30分毎に入場できるようになっています。
入場には予約が必要です。
2016.7.27

shiho

最新記事 by shiho (全て見る)
- さすがイタリア!窯焼き本格ピッツァを自宅で楽しむ - 2017年3月15日
- 旅行に役立つイタリア語 ~ショップ編~ - 2017年3月8日
- フィレンツェの郷土料理「リボッリータ」の作り方 - 2017年3月1日
Buona sera
素敵なブログ拝見させて頂きました
僕もフィレンツェには留学していた事があり、
アルノ川の側の風景が好きです
今でも、サンタクローチェの場所がお気に入りなので、
また訪れたいと思っています(笑)
Buona sera!
コメント、ありがとうございます。
サンタクローチェのあたりがお気に入りということは、この塔の側を通られたこともきっとあるのでしょうね。
もし、またフィレンツェにいらっしゃったときゼッカの塔が一般公開されていれば、是非登ってみてください。まだ見たことのないフィレンツェの街並みを眺めることができるはずです。