今回は、フィレンツェのトレッキングコースについてのお話です。
参加したのは、フィレンツェがロックダウンになる直前に開催されたガリレオ・ガリレイの足跡をたどるコースです。
ヴェッキオ橋からスタートし、フィレンツェで一番歴史ある教会の一つ、サンタ・フェリチタ教会広場からコスタ・サンジョルジョの坂をひたすら上っていきます。(この通りに面して「ガリレオ・ガリレイの家」があります。)

旧市壁のサン・ジョルジョ門をくぐると、メディチ家の三代目の大公、フェルディナンド1世が作らせたベルヴェデーレ要塞(現在休業中)があり、ボーボリ庭園に通じる道もあります。

トレッキングコースはサン・ジョルジョ門から旧市街地を抜けて、昔の街道筋であるサン・レオナルド通りを歩くルートです。途中この通りの名前になっているサン・レオナルド教会があり、そしてかつてチャイコフスキーが暮らしていた邸宅もあります。実はこのお屋敷はポルターガイスト現象がおこるといわれていたそうで、そのことをチャイコフスキーも不気味に思い、ここを去ったそうです。

ガリレオ・ガリレイ大通りの信号を渡り、さらにサン・レオナルド通りを歩いていくと、メディチ家の別荘のひとつ、ヴィラ・デル・ポッジョ・インペリアーレが見えてきます。

そして、アルチェートリ天文台、付属施設の正門にたどり着きます。ただ、門から天文台があるところまではかなりの距離があるようで、天文台のシンボルの銀のドームはまったく見えず、通り過ぎてしまいそうでした。

そこから天文台の敷地を遠巻きにぐるりと回るように、スオル・マリア・チェレステに道を取り、次にサン・マッテオ・イン・アルチェートリに通りを歩いていくと、サン・マッテオ・イン・アルチェートリ教会が見えてきます。

かつてこの教会の修道院には、ガリレオの娘ヴェルジニアが、修道女として暮らしていました。
そのまま進むと三差路になっており、左にピアン・デイ・ジュッラーリ通りに出るとここから、ガリレオが1631年から亡くなるまでを過ごしたガリレオの邸宅にたどり着きます。

建物内部は博物館になっています。目の前には有名な老舗レストラン兼バールがあるので、休憩やお昼を取るのもよいかもしれません。
そこからトッレ・ガッロ通りを歩いていくと、ウンガネッロ広場に出ます。すると、突然フィレンツェのパノラマが開けて感動しました。

ここから再び、狭いジラモンテ通りを歩きます。
この通りは、フィレンツェを見下ろすサン・ミニアート・アル・モンテ教会がある小高い丘をぐるり迂回する通りになっています。教会とこの通りの間の休耕地は2度の世界大戦の犠牲者を悼む公園となっていて、記念碑と犠牲者を示すように糸杉が植林されています。

そしてサン・ミニアート・アル・モンテとサン・サルバトーレ・アル・モンテ教会の間に出て、横断歩道を渡るとミケランジェロ広場到着です。
8キロほどを、途中で説明を受け、休憩を挟みながら、のんびり3時間強かけて歩きました。
このトレッキングコースはここで終了でしたが、引き続きサンタ・クローチェ教会のガリレオのお墓を詣で、ウフィッツィ美術館の東にあるガリレオ博物館を見学すると、ガリレオ・ガリレイ1日観光コース完成となります。
私はこのトレッキングコースに参加して、これまで遠くから眺めているだけだった施設へ実際どうアクセスできるのか分かり、これまで見たことのなかった方向からのパノラマがとても印象的でした。
歩くのが好きな方は、季節が良い時期にどうぞお試しくださいませ。
2021.4.14

shinako

最新記事 by shinako (全て見る)
- フィレンツェの守護聖人 - 2021年6月23日
- フィレンツェ、ダンテの特別展とジョット - 2021年6月16日
- フィレンツェ郊外のショッピングモール - 2021年6月9日
コメントを残す