秋晴れが続いているフィレンツェです。
今回は、水道局が設置した無料給水スポットのフォンタネッロ(Fontanello)についてお話しします。
通常、住宅街の広場に設置されているフォンタネッロですが、観光客のかたにも広く利用してもらえるよう旧市街地内の設置場所はヴェッキオ宮殿の正面向かって左の北側の壁面です。
例年夏は観光客で列ができていました。
イタリアらしく、ナチュラル(スティル)とフリッザンテ(スパークリング)の水2種類があります。
私も夏場の仕事では大変お世話になっていました。
ヴェッキオ宮殿の給水スポットではあまり見かけない光景ですが、住宅街の給水スポットでは、ショッピングカートにペットボトルやガラス瓶を何本も詰めておそらく1週間分の水をまとめて給水している光景をよく見ます。
私も飲料水のブランドにこだわりがあるわけではないので、機会があれば利用しています。
最近引越しをしたのですが、新居のすぐそばにフォンタネッロを見つけ、なんという幸運だろうと思いました。
以前住んでいたところはスーパーも遠く、給水スポットも近くになかったので、ナチュラルは浄水器で対応できても、フリッザンテは貴重な扱いだったのです。
ただ、給水スポットで飲料水問題がすべて解決かというとそうでもありません。給水スポットのナチュラルで日本茶を淹れてみたのですが、香りも味も閉じたまま、色も薄めでした。
日本茶を淹れるには硬度が高すぎるようです。
以前の家では、イタリアで一番普及しているカートリッジ式の浄水器でお茶を淹れていました。
新居では、たまに入れる日本茶のために浄水器を買うより日本茶用にミネラルウォーターを買ったほうがよいと思い、どのメーカーがベストか試してみることにしました。
早速試した1つめは、無料給水スポットと大して変わらぬ味でがっかりでした。
好みのお茶の水に早く出会えることを願っています。
以前、日本のお茶屋さんがデモンストレーションでフィレンツェに来られた際、ルッカ県の湧き水を使っているとおっしゃっていました。トスカーナの水源でも降雨量の多い地域の湧き水は軟水に近いようです。
水の硬度に関しては、日本ではダイエットに良いなどと、健康志向のかたが硬水を選ぶようですが、イタリアでは逆です。
ミネラル分で水回りがすぐに汚れるので、その現象と結石を結び付けて考え、軟水のナチュラル水が健康に良いと思っている人が多いようです。
気になって調べたのですが、因果関係はなく、むしろ逆との研究もあるようです。
肉の煮込みには臭みが出にくいので硬水、お茶は軟水など、自分の好みに合わせて水を使い分けて豊かな食生活を楽しもうと思います。
2020.11.11

shinako

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