2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年ということで、いろいろな展覧会などが行われています。このフィレンツェ・イン・タスカのブログでも、フィレンツェのレオナルド作品や展覧会などをご紹介しました。
今回は、レオナルド・ダ・ヴィンチの故郷ヴィンチ村を中心にご紹介します。
ヴィンチ村
レオナルドは、ヴィンチ村に生まれたとされています。ヴィンチ村は、フィレンツェから車で40分ほどの距離。今も中世的な雰囲気の残るところです。しかし、実際にはレオナルドは、ヴィンチ村から3キロほど離れたアンキアーノ村で誕生したようで、こちらには「レオナルド生家博物館」があります。(10時〜午後7時。季節により変動。無休)
レオナルドの洗礼式が行われたのは、ヴィンチ村のサンタ・クローチェ教会・洗礼堂でした。むろん、その建物はもちろん、当時の洗礼盤も残っています。
レオナルド博物館(ヴィンチ村)
レオナルドは「万能の天才」といわれますが、それは彼が画家としてだけではなく、軍事技術にも通じていたし、数学・幾何学・物理学・力学・光学・解剖学・生理学・天文学・気象学・地質学・土木工学など、じつに多くの分野に卓越した才能を持っていたからです。解剖学は精緻な人体表現に生かされ、植物学や水流学も、彼の絵画に生かされています。空中を飛ぶ装置も考えていました。これらのことは、レオナルドが残した膨大な手稿からうかがうことができます。
レオナルドの手稿にみられる人力飛行装置などの再現模型が、ヴィンチ村にある「レオナルド博物館」にあります。また、オリーブオイル搾り機、金箔をたたき延ばす機械などの模型も展示されていて、楽しめますし、その建物も一見に値します。
また、レオナルドの全絵画作品の高画質プリントが展示されています(「レオナルドと絵画展」)。レオナルド作品は各地に点在しているので、オリジナル作品ではなくコピーではあるにしても、同時に見ることができるのは、ありがたいところです。
ガリレオ博物館の「レオナルドの蔵書」展
フィレンツェ旧市街に位置するウフィツィ美術館のすぐ裏側に、「ガリレオ博物館(Museo Galileo: Piazza dei Giudici 1 Firenze)」があります。(10年ほど前までは、「科学史博物館」という名称でした。)ここで、「レオナルドの蔵書展」開催中(2019年6月6日から9月22日まで。この企画の英語名は、“Leonardo and His Books: The Library of the Universal Genius” です。)
レオナルドは、正規の学校を出ていないので、「無学」だったという人もいますが、そんなことはありません。彼には膨大な手稿が残されていますが、それとは別に蔵書も残されていて、その展覧会です。
このガリレオ博物館には、ガリレオ・ガリレイ(1564年〜1642年)が木星の惑星を発見する際に使った望遠鏡などが展示されています。自然科学に関心のある人にはおすすめです。

藤尾 遼

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